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2005年10月02日

性器カンジタ症

解 説

・カビの一種である、カンジダ属という真菌が増殖して起こる。
この真菌は誰もが皮膚や口、肺、腸などに寄生しているが、健康な時には炎症を起こすことはない。
・女性に特有な疾患であり、男性の罹患例は少ない。
・膣内にカンジタを保有しているからといって、必ずしも治療は必要ではない。外陰や膣にカンジタを認め、かゆみや、悪臭のない白色、ヨーグルト状のおりものが増えるなどの症状が出た場合、性器カンジタ症と診断し、治療を行う。
・妊婦の膣内カンジタ保有率は約30%で、その中でかゆみなどの自覚症状や外陰・膣の炎症を起こし、治療が必要と判断されるものは15 ~ 30%程度である。
・妊娠36 週以降で、膣より大量のカンジタが検出された場合は、産道感染の防止を目的として治療することが勧められている。カンジタの羊水や産道感染により、胎児への口腔粘膜へ感染すると、鷲口瘡が生じる可能性がある。


原 因

・身体の免疫が低下した時や過労、妊娠、ダイエット、抗生物質の長期服用、経口避妊薬、ステロイド剤の投与、糖尿病などが原因で発症する。
・性行為が原因で発症するのは数%である。
・膣内を洗いすぎると、膣の自浄作用が低下して、カンジタが増殖することがある。
・外陰・膣カンジタ症の約5%は、性交感染が原因であるが、性交渉のみで感染するものではなく、パートナーの定期的追跡は必要ない。


症 状

《女性》
・女性の10%は、膣内にカンジタ菌がいるといわれている。
おりものが増え、膣内や外陰部がかゆくなる。かゆみが強く、ひっかいて外陰炎を起こすと、赤くただれて痛みがひどくなる。
・外陰や膣の灼熱感、痛み、性交痛、排尿障害を訴えることがある。
酒粕状、粥状、ヨーグルト状のおりものがみられ、膣壁、頸部に塊状に付着する。これらの症状は他の外陰・膣疾患でも見られることがあり、外陰膣カンジタ症に特異的な所見ではない。
・糖尿病に合併した例やステロイド剤投与例などでは。膣よりも外陰部、股部の炎症が強く、湿疹様の症状が出る。

《男性》
・性器にカンジタを保有していても、男性の場合、症状を呈すことは少ない。
・主な病型は亀頭炎であり、かゆみや違和感、軽い排尿痛があるだけで、ほとんど感染に気がつかず、まれに尿道炎を起こすことがある。
・他覚的には、冠状溝周辺、亀頭に発赤、紅色丘疹、小水疱、びらん、浸軟、白苔をみる。
・包茎、糖尿病、ステロイド剤使用が原因である場合がある。


検 査

《女性》
・綿棒でおりものを採取し、顕微鏡や培養検査で診断する。

《男性》
・顕微鏡や培養検査で診断する。検査部位は、亀頭冠状溝、その周囲を綿棒で擦過する。


治 療

・膣内に抗真菌剤の膣錠を挿入し、外陰に症状のある場合は軟膏・クリームの外用薬を併用する。治療期間は2 週間程度です。


再 発

・膣錠などを用いた治療により、膣内カンジタが一時消失しても、自己腸管に存在するカンジタが外陰部を経て膣内へ侵入し、新たに膣に感染することがある。
・再発を繰り返す例では、内服薬に変更する。(膣錠を使っても効果がない場合等に)


治 療 判 定

・治療により、かゆみやおりものなどの症状が消失したものを治癒とする。
カンジタが消失したものだけではなく、少数存在しているものも含まれる。


予 後

・カンジタによる病変は、通常外陰部や膣に留まり、骨盤内や全身感染症には至らない。1 ~ 2 週間の初回治療により、85 ~ 95%は治癒に至る。
・少数例は再発を繰り返す。
再感染の感染経路の一つは、自分の腸管に存在するカンジタが肛門から外陰部を経て新たに膣に自己感染する経路で、他は、性感染の経路で男性から新たに感染した場合である。
・性交渉による感染の場合、パートナーも同時に治療しないと感染を繰り返す。

予 防

・局所の清潔を保ち、刺激性石鹸の使用禁止、通気性の良い下着を使用し、急性期には性交渉を避け、安静にすることを勧める。 

 

最 後 に

・性器カンジタ症は、性感染症としてもとらえられるが、日和見感染症であるという側面をもつ。検査結果で性器よりカンジタが検出されたからといって、性器カンジタ症であるとはいえない。
※日和見感染:抵抗力が落ち、通常なら感染しないような弱毒病原体に感染すること。
通常の健康な状態では感染しても細菌に病原性がないので、発病しない病気であるが、HIV に感染していたり、何らかの影響で免疫機能が低下している時に細菌に感染すると生命の危機に陥る危険性のある感染症。

投稿者 farplane : 2005年10月02日 11:56