2005年10月01日
エイズ
| は じ め に |
HIV 感染症は、血液、体液(膣液、精液)等を介して感染します。
日本では現在、異性間、同性間の性的接触が主な感染経路となっております。
HIV ウィルスが体内に入ると人間の免疫(病気に対抗する力)を徐々に破壊していき、数年~10 数年経過すると免疫減少から易感染状態になります。この時期の感染をAIDS(免疫不全症候群)といいます。容易に感染を起こし、悪性腫瘍などの発症も起こします。最悪の場合は死に至ります。
日本でHIV 感染者とAIDS 患者の累計は1 万人を超え、毎年1000 人以上の新たに感染した人が見つかっていますが、ただしこれは、検査を受けて見つかった方であり、実際はこの何倍も新たに感染しているものと考えられています。(推定では新たに感染している人は3000 人とも5000 人ともいわれています。)
感染地は、大半が国内で感染しており、報告地では東京、関東近辺に集中しております。また若年層(10 ~20 代)の報告数も増加しており、コンドームの出荷数減少からも無防備な性行動が広がり、その結果が医学的現象として現れ始めたということでしょう。
日本以外の先進国では抗ウィルス剤の進歩により、1995 年以降AIDS 患者の数が減少していますが、国内ではAIDS 患者の数は依然多い状態です。
これは早期発見の遅れのためであり、検査体制の不備、性教育の不足などが指摘されています。このため献血でのHIV 感染の発見率は増加の一途をたどっており、2004 年度末で10 万人の献血者あたり1.68 人のHIV陽性者が発見されております。
日本の何十倍もHIV の流行がある海外ですら、この献血者10 万人対HIV 患者の率は1.0 未満であることを考えるとどれだけ高いかわかるかと思います。
検査を受ける機会が十分整備されていないことが原因であり、早期発見し、早期治療すればAIDS の進行を止められるのですが、早く検査を受けない、又は受けにくいという社会状態もあるかと思います。差別や偏見を恐れて、検査への足が鈍り、結局AIDS が発病するまで気がつかない、あるいは放っておくというケースが後を絶たないのです。
| 現 在 の 治 療 に 関 し て |
現在HIV を完全に消失させる薬は今のところなく、治療の基本は血液中のHIV の量を検出限界以下に抑えつづけることです。
このため抗HIV 剤による多剤併用療法(HAART と呼ばれる)を行うことが基本となります。
治療などの開発も日々進歩しており、早期に発見できれば治療しながらHIV ウィルスと共存する形で長く生きられることとなっております。
| 予 防 、 他 の 性 感 染 症 と の 関 連 に つ い て |
HIV 感染症に対する治療は年々進歩していますが、いまだ根治的治療は可能とはなっていません。このことからもいかに早期発見し、いかに予防していくかが最大のポイントとなります。
以前から尖圭コンジローマ、梅毒、性器ヘルペス、クラミジア、淋菌といったものの羅患者はHIV に数倍~数十倍感染しやすいといわれております。
しかし、これら従来の性感染症の羅患はコンドームの不使用、適切な感染予防をとらないためであり、同じような無防備な性的接触でHIV に感染する可能性を示しています。
oral sex からの適切なコンドームの使用、その他の性感染症の早期発見、早期治療が最も重要であることはいうまでもありません。
| 感 染 経 路 |
基本は性的接触で感染が成立します。
その他、血液、母体を介して感染するか、日常生活では感染しません。
性的接触の中で最も感染しやすいのは肛門性交(0.1 ~ 3%)です。次に膣性交の女性側(0.3 ~ 0.9%)、膣性交の男性側(0.1 ~ 0.2%)の順位です。
oral sex (fellatio、cunnilings) も男性側、女性側共に安全とはいえず、HIV 患者22 人を対象とした問診でoral sex のみが感染リスクと考えられた方が6.6% いたとの報告もあります。
| リ ス ク |
肛門性交(受け側)≫膣性交(受け側)>肛門性交(挿入側)>膣性交(挿入側)>fellatio(受け側)>fellatio(挿入側)
| 急 性 レ ト ロ ウ ィ ル ス 症 候 群 |
感染してから(性行為などがあってから)2 ~ 4 週経過後ひどい風邪、インフルエンザの様な症状が出現することがあり、HIV 感染者の約9 割に出現していると推定されている。この症状は他の急性ウィルス症候群と区別つきません。
ほとんどの症状が1 ~ 2 週間で自然消失してしまいます。
| 主 な 症 状 |
ⅰ. 発熱(96%) …39℃以上となることが多い
ⅱ. リンパ節腫大(74%)…左右対称に発現
ⅲ. 咽頭炎・発疹(70%)…とくに顔面、体幹、手、足などに発疹出現する
ⅳ. 筋肉、関節痛(54%)…風邪の時の体の痛みと同様
| そ の 他 |
下痢(32%)、頭痛(32%)、嘔吐、悪心(27%)、肝腫(14%)、口腔カンジタ(12%)、神経症状(12%)

投稿者 farplane : 2005年10月01日 14:52